市販の歯磨き粉には、フッ素といった虫歯予防に有効な成分を含んだ商品が数多くあります。
そのため、「どの歯磨き粉を使えば良いかわからない」「歯磨き粉だけで虫歯予防ができるの?」と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、歯磨きでの虫歯予防や歯磨き粉を選ぶ際のポイントについて解説します。
また、虫歯予防に効果的とされる「フッ素」についても、メリットやデメリットなどを解説します。
虫歯予防の歯磨き粉選びで失敗したくない方は、ぜひ最後までご覧ください。
結論から言うと、歯磨き粉で虫歯予防は可能です。ただし、虫歯の進行状況によっては虫歯予防の歯磨き粉を使っても効果がありません。
虫歯は、自覚症状がない初期段階の「CO(シーオー)」から、歯の上部が崩壊する「C4」まで、段階的に症状が進みます。
虫歯の進行状況 |
状態・症状 |
CO |
まだ虫歯ではないが、放置すると虫歯になる可能性がある。 |
C1 |
虫歯の初期で、エナメル質に虫歯が及んだ状態。痛みはさほど感じない。 |
C2 |
虫歯が象牙質まで及んだ状態。自覚症状があり、治療も麻酔が必要。 |
C3 |
虫歯が神経まで及んだ状態。大きな穴が開き、激痛が走ることも。 |
C4 |
歯の上部が崩壊している状態。最悪の場合、抜歯が必要となる。 |
どの進行状況であれば歯磨き粉で虫歯予防ができるのか、詳しく解説します。
虫歯の初期段階(CO)であれば、虫歯予防の歯磨き粉でも効果が期待できます。
初期段階の「CO」は、歯の表面が溶け出している状態のため、歯に穴は開いていません。
そのため、虫歯予防の歯磨き粉で丁寧に磨くことで、歯の表面にあるエナメル質を強化し、虫歯を修復できる可能性があります。
歯に穴が開く「C1」以降に虫歯が進行した場合は、フッ素入りの歯磨き粉などを使っても効果は期待できません。
なぜなら一度歯に穴が開いてしまうと、どんなに虫歯予防の歯磨き粉でしっかり磨いても、穴は修復できないためです。
虫歯の進行がC1以降に進んだ場合は、歯科医での治療が必要になります。
虫歯予防の歯磨き粉が効果を発揮するのは、あくまでも歯に穴が開く前の「初期段階(CO)」の虫歯だけです。
フッ素は虫歯に有効な成分ですが、中には「フッ素入りの歯磨き粉は危険じゃないの?」と考えている方もいるかもしれません。
確かにフッ素を過剰摂取した場合は、中毒症状になる可能性があります。とはいえ、普通に使用する分については、とくに問題ありません。
ただし、0歳〜5歳までの幼児に使う場合は、いくつかの注意が必要です。フッ素入りの歯磨き粉を使う際の注意点を解説します。
フッ素入りの歯磨き粉は、下記のように使用者の年齢に応じて推奨される量があります。
年齢 |
推奨される量 |
フッ化物濃度 |
主な注意点 |
歯が生えてから2歳まで |
米粒程度 |
900~1000ppmF |
・1000 ppmFの歯磨き粉をごく少量使用する |
3〜5歳 |
グリーピース程度 |
900~1000ppmF |
・子どもが適量をつけられない際は、保護者が手伝う |
6歳〜成人・高齢者 |
歯ブラシ全体 (1.5〜2cm) |
1400〜1500ppmF |
・チタン製歯科材料の使用時でも、歯があるならフッ化物配合歯磨剤を使用 |
参考:https://www.jspd.or.jp/recommendation/article19/
ちなみに推奨される歯磨きの回数は、就寝前を含めて1日2回です。
また、パッケージに「高濃度フッ素配合」とある歯磨き粉は、すべて1450ppm以上の歯磨き粉です。
高濃度フッ素歯磨き粉は虫歯の予防効果が高い一方で、いくつかの注意点が存在します。
厚生労働省のHP「フッ化物を配合する薬用歯みがき類の使用上の注意について」では、「6歳未満の子ども」は高濃度フッ素の歯磨き粉の使用を控えるように注意喚起しています。
なぜなら6歳未満の子どもが高濃度フッ素の歯磨き粉を使用した場合、フッ素症を発症する恐れがあるためです。
フッ素症は、フッ化物の過剰摂取により歯に異常が出る症状のことです。歯に褐色の斑点や染みができたり、エナメル質に小さな孔ができたりします。
また高濃度フッ素の歯磨き粉を保管する際は、必ず子どもの手が届かない場所で保管するようにしましょう。
フッ素入りの歯磨き粉を使うメリットは、主に以下の3つです。
それぞれのメリットを詳しく解説します。
フッ素には歯のエナメル質を強化し、酸にも強くなる効果があるため、虫歯予防に有効です。
エナメル質とは、歯の表面を覆う硬い層のこと。フッ素がエナメル質に浸透し、カルシウムやリンと結びつくことで、エナメル質が強化され虫歯になりにくくなります。
また、エナメル質は「酸」が弱点です。そのため、食事中に摂取する糖分や酸が口腔内に残ると、虫歯の原因となります。
フッ素入りの歯磨き粉を使えば、エナメル質を強化し、弱点である酸にも強い歯を作れるため、虫歯予防に効果的です。
フッ素入りの歯磨き粉は、「歯の再石灰化を促進する」というメリットもあります。
歯の再石灰化とは、酸で溶かされた歯の部分が「カルシウムイオン」や「リン酸」により修復されることです。
フッ素には、歯の再石灰化を促進する効果があります。そのため、歯に穴が開く前の虫歯の初期段階であれば、フッ素入りの歯磨き粉で修復できる可能性があります。
虫歯予防の歯磨き粉には、口臭をやわらげるフレーバー(香料)を含んだものが多くあります。
またフレーバーだけではなく、「メントール」や「グリチルリチン酸」といった成分も、口臭を抑制する効果があります。
ただし、あくまでもフレーバーは口臭の原因そのものを断つ訳ではありません。口臭ケアについては、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
口臭ケアにおすすめの歯磨き粉は?予防・対策と無添加歯磨き粉のメリット
フッ素入りの歯磨き粉には、当然ながらデメリットや注意点もあります。
フッ素入りの歯磨き粉のデメリットや注意点は、主に上記の2つです。1つずつ詳しく解説します。
繰り返しになりますが、フッ素入りの歯磨き粉は小児に対して慎重に使う必要があります。
小児がフッ素入り歯磨き粉を過剰に摂取すると、フッ素症を引き起こすためです。とくに6歳未満の小児に対しては、高濃度フッ素の使用を控えるべきです。
6歳未満の小児へフッ素入りの歯磨き粉を使う場合は、保護者の指導のもと、年齢に応じた適切な量で使用するようにしましょう。
フッ素入りの歯磨き粉の多くには、研磨剤や殺菌剤といった添加物を含んでいるため、味や刺激が強いといった特徴があります。
また苦味のあるフッ素を軽減するために、香りの強いフレーバーを使っている歯磨き粉も少なくありません。
とくに知覚過敏や口内炎といった症状があると、味や刺激が強いと感じることがあります。
もし知覚過敏や口内炎といった症状が見られる場合には、味や刺激性の少ない「無添加」の歯磨き粉を使うと良いでしょう。
フッ素入りの歯磨き粉について、メリットとデメリットを解説してきました。
フッ素入りの歯磨き粉は虫歯に効果的です。しかし、必ずしもフッ素入りの歯磨き粉を使わなければ、虫歯を予防できない訳ではありません。
歯磨き粉を選ぶ際には、いくつかのポイントがあります。
上記のポイントを参考に歯磨き粉を選べば、フッ素入りでなくても虫歯を予防できます。
研磨剤入りの歯磨き粉は、歯の表面のエナメル質を削ってしまう恐れがあるため注意が必要です。
研磨剤は、歯の表面を物理的な摩擦で擦り、歯垢などの汚れを落とす成分のこと。この研磨剤がエナメル質を削ってしまうことで、知覚過敏や虫歯のリスクが高くなります。
研磨剤入りの歯磨き粉を使う際には、研磨剤の濃度や歯ブラシの硬さなどに注意し、エナメル質を傷つけないよう注意しましょう。
歯磨き粉を選ぶ際は、できるだけ低発泡の歯磨き粉を選ぶようにしましょう。
高発泡の歯磨き粉は、泡により口の中がリフレッシュした気分になります。しかし、発泡量が多いためすぐに歯磨き粉を吐き出したくなり、歯磨きを短時間で終えがちです。
歯磨きは1本1本の歯をしっかりと磨くのがコツです。泡立ちが少ない低発泡の歯磨き粉を使い、時間をかけて歯磨きするようにしましょう。
殺菌力や抗菌力の高さで、歯磨き粉を選ぶのもポイントです。虫歯や歯周病の予防には、殺菌力や抗菌力の高さが重要になるためです。
殺菌や抗菌に有効な成分としては、「キシリトール」や「ティーツリーオイル」などがあります。
市販の歯磨き粉を購入する際には、上記のような成分が含まれているか確認してみましょう。
樹齢約300年以上の天然木曽檜の蒸留水で作られる木曽檜歯磨きジェルは、ホテルオークラでも採用されている歯磨きジェル。
殺菌剤などを一切使わない無添加の歯磨きジェルでありながら、虫歯の原因菌でもあるミュータンス菌に対し約99.9%の除去効果が確認されています。ミュータンス菌は、数ある口内細菌の中でも歯面に強く付着して、歯垢を作りやすいという特徴を持っており別名「虫歯菌」とも呼ばれています。歯に付着する菌が原因で起こる虫歯や歯周病の予防に役立ち、口内環境を改善するために効果的です。木曽檜歯磨きジェルを使用することで、しっかりと歯垢を除去し健やかな口内環境を保つことができます。
木曽檜歯磨きジェルが少しでも気になる方は、下記のURLから詳細をご確認ください。
https://kisohinoki300.com/collections/all?fpc=2.2.365.0b300dd7a656669S.1699410166000&ls=ja